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複数のコミュニティでのパラレルな活動。
自分の想いの実現に向かい、素直にそして軽やかに。

PR会社勤務/NPO法人 広報 高橋 明日香

掲載日2018年01月16日

ビジネスパーソンとして働きながら、自らの価値観と共振する他の活動にも参加する。
既存の枠組みを縦横無尽に飛び越える、そのワークスタイルについて聞いた。

「私って、やりたいことがあるとチャレンジせずにいられない性格みたいで。興味のあることはたとえ同時進行になったとしても、すべて挑戦したくなるんです(笑)」。そう笑顔で語るのは都内でPR会社に勤務しながら、NPO法人の広報担当として活躍する高橋さん。現在は社会情報大学院大学の一期生として学生生活も送っている。そんな高橋さんのパワーの源泉は、ずっと胸に抱き続けている強い想いにある。

学生時代の多様な人たちとの出会いが
「伝えることの大切さ」に気付く原点

幼少期は動物が大好きで、動物に関わる仕事に携わりたいと夢を描いていた高橋さん。中学生の頃には海外ボランティア派遣制度である青年海外協力隊などの存在を知り、国際協力に興味を持ち始めていたという。そんな高橋さんの人生に大きな影響を与えたのが、高校時代のアフリカ・ケニアでの体験だ。

日本ケニア学生会議に参加していた頃の高橋さん
(前列中央)

「夏休みの研修プログラムに『アフリカ野生教室』という、ケニアで10日間を過ごすサマープログラムがあったんです。もともと動物も好きでしたし、国際協力の分野に関心があったので、一度アフリカに行ってみたいと思い、両親に頼み込んで参加させてもらいました」(高橋さん)。

このときのケニアでの実体験がきっかけとなり、高橋さんは大学入学後「日本とケニアの架け橋となる」「よりよい社会を作る」という理念を掲げ1999年に創設された『日本ケニア学生会議』という学生団体に参加し、ケニアの大学生とともにフィールドワークやディスカッションなど、さまざまな活動を行った。高橋さんはこの活動のなかで、ケニアの情報を発信したり、ケニアについて質疑応答したりする機会があるたび「日本ではケニアのことがこんなにも知られていないんだ」とショックを受けたという。

「もっとケニアのことを知ってもらうためにどうすればいいのか、どうしたらたくさんの人にイベントに来てもらえるだろうか。そんな“伝えること”への想いが、今の仕事・活動の原点になっています」(高橋さん)。

高橋さんは日本ケニア学生会議での活動のほかにも、ビジネス系出版社での学生記者をはじめ、「生き抜く力を、子ども・若者へ」を理念に掲げたNPO法人カタリバや、高校生・大学生の音楽イベントを支援するNPO法人ブラストビートへ参加するなど、“伝えること”を軸に、アクティブに活動の場を広げていった。

そんな日々を送るなかで高橋さんは、より一層“伝えること=広報”の大切さや必要性を確信していったのである。

就職活動中に起こった東日本大震災が
改めて仕事を見つめ直すきっかけに

2011年、高橋さんが就職活動を続けるさなか、東日本大震災が発生する。自身の就職活動もストップしてしまうなか「これからはいつ何が起こるかわからない。一人のヒトとして生きていくために、個人のスキルが活かせる仕事に就こう」とPR会社への就職を決めた。

「もともと文章を書いたり、写真や動画を見たりするのが好きだったというのもありますし、母親が出版社に勤めていますので、生活のなかに雑誌などのメディアがあふれていた環境が影響したんだと思います」(高橋さん)。

高橋さんは現在PR会社勤務も6年目を迎え、外資の家電メーカーや健康機器メーカー、システム系の企業など多数のクライアントを担当している。広報戦略立案やイベント企画、現場指揮などを行い、ときには仕事が夜遅くまで続くこともあるなど多忙な日々を送っている。

PR会社での仕事を続けながら
NPOの広報を担当し、学生として大学院にも通う

「入社当初は日々の仕事をこなすので精一杯だったんですが、社会人4年目の頃だったでしょうか、懇意にしていただいていた大学教授の講演を聞くために、あるイベントに出席したんです。それがNPO法人二枚目の名刺との出会いでした」(高橋さん)。

NPO法人二枚目の名刺は、会社人として持つ1枚目の名刺のほかに、組織や立場を超えた社会人として2枚目の名刺を持ち、双方で活躍することが当たり前の選択肢となる社会の姿を描いて、2009年に設立されたNPO法人だ。

高橋さんはその理念に共感し、活動に参加するなかで、NPO法人二枚目の名刺に広報担当者がいないことを知る。

「声をかけていただいたこともあり、『それなら私にやらせてください!』と手を上げたんです(笑)」(高橋さん)。

現在はNPO法人二枚目の名刺でイベントの企画運営はもちろん、SNSや取材対応など、さまざまな活動を精力的にこなしている。

NPO法人二枚目の名刺のメンバーと

さらに17年4月からは、国内初の広報スペシャリストを育成する社会人向け大学院である、社会情報大学院大学の一期生として入学。新たに学生としての顔も加わった。
これから2年間は平日の夜間と土曜日に大学院生として、研究を続けるのである。

「社会人になったら忙しくて仕事と趣味で手一杯という声も聞きますが、学生時代は授業、部活動、バイトをこなしてから夜に課題をやってと、生活に3本も4本も柱があって、それが普通だと思って過ごしてきました。だから社会に出ても、もっといろんなことができると思うんですよね。『大変じゃない?』って心配されることもあるんですが、私自身は全然そうは思わなくて(笑)」(高橋さん)。

NPO広報のプロを目指した
高橋さんのチャレンジは続く

「PR会社の仕事やNPOでの活動、そして大学院での研究も、一見、全く違うように見えますが、私のなかではすべてが自分に必要なものなんです」(高橋さん)。

つまり、高橋さんの日常は、「NPOの活動をサポートできる広報のプロになる」という目標の実現に向かって、生活のすべてが同じベクトルで動いているのだ。
そして、このパラレルな活動をすることについて、高橋さんは「何より経験することが大切だと思うんです。これまでの生活から一歩外に出てみると、今まで見えなかったことが見えるようになったり、新しい選択肢が生まれたり。色々な気付きが生まれてくるんです」と語る。

高橋さんも、一歩広い世界に足を踏み出したことで、PR会社での業務で顧客に異なる視点での意見やアイディアを提示できるようになるなど、その効果を実感できたという。また、「一つだけの価値観に縛られなくなることで、考え方や気持ちなどに安定性や安心感が得られるようになるのではないでしょうか」と語る。
複数のコミュニティで活動を続けることで価値観に多様性が高まり、自身の豊かな人生につながる――。これが高橋さんの『Smart Join Style』なのだ。

PR会社勤務/NPO法人 広報 高橋 明日香

立教大学在学中より日本ケニア学生会議、NPO法人カタリバ、NPO法人ブラストビート、ビジネス系出版社で学生記者として活動。大学卒業後、社会課題解決に向けて取り組む団体や個人を、広報によってサポートすることを目指し、「1枚目の名刺」として広報代理店に勤務。2016年よりNPO法人二枚目の名刺に参画。2枚目の名刺を持つことが当たり前の選択肢となり、企業・行政・NPO間の人的交流が活性化することで、NPOのコミュニケーション課題の解決を目指している。

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