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仕事とNPO法人での活動を結ぶ糸。
それは“社会に価値を提供したい”という熱い想い。

精密機器メーカー勤務/NPO法人 メンバー 喜多 健介

掲載日2018年03月15日

さまざまなフィールドでの活動を糧とし、どんなシーンでも通用するユニバーサルスキルを培う。アグレッシブに「働く」ことで、生まれるチカラ、そして想いとは。

パラレルキャリアを実践することで
ビジネスシーンでも先読みのチカラが

大手精密機器メーカーで経理・経営管理業務に従事しながら、NPO法人のメンバーとして働く喜多さん。

「NPO法人での活動は新しい体験や経験の連続です。仮説・実践・検証を繰り返しながらプロジェクトを進めていくことで、先を読むチカラが養われましたね。本業でも『ここはこのプランでいこう』とか『この辺に穴がありそうだな』など、自分のなかで仕事を前さばきできるようになりましたし、社内だけでなくどんなところに行っても通用するユニバーサルなスキルが身に付いたと思います」

NPO法人での活動を通じてパラレルキャリアを実践する喜多さんは、そこでの活動が本業にもたらす効果をそう語る。

幼少期のインドネシアでの体験が
現在の活動の原点に

喜多さんは父親の仕事の関係で3歳から12歳までの幼少期をインドネシアのジャカルタで過ごしていたが、当時のインドネシアはアジア通貨危機に端を発する金融危機で政情が不安定に陥っていた。インドネシア各地でデモや暴動が頻発し、喜多さんも10歳のときに日本への緊急帰国を余儀なくされたという。

「当時インドネシアの大統領であったスハルトの政権が崩壊したときは小学4年生でした。スハルト政権時と崩壊後とでは街が大きく様変わりしたことが鮮明に記憶に残っています。そこで街にあふれるストリートチルドレンの姿という社会に潜む課題を目の当たりにすることになり、『いつか自分にできることを社会に還元したい』と考えるようになりました」(喜多さん)

日本に帰国してからも、その想いを持ち続けていた喜多さんは、東京外国語大学に進学し、インドネシア語を専攻する。学生生活を送るなかで、「将来は海外で社会課題を解決する価値を創造したい」という気持ちがより強いものになっていったという。

就職活動の際も「グローバルに競争力がある企業で働きたくて、各業界でトップクラスの企業を目指した」という喜多さんは、その甲斐あって現在勤務する大手精密機器メーカーへの就職を決めた。

インドネシアのジャカルタで幼少期を過ごした喜多さん(前列左から2番目)

経理・経営管理の仕事は、多忙ながらもエキサイティング

就職してからの最初の5年間は、栃木県宇都宮市にある事業所で経理部門における業務に従事し、2016年5月からは東京の本社でグループ全体を統括した経営管理を担っている。

「就職したときに会計や経理の知識があるわけではなかったのですが、弊社の経理部門は、業務領域が広範にわたることを知り、業務を通じて社会に企業価値を創出していける場として経理部門を選びました。現在はM&Aを行った企業の経営統合支援を行うなど、グローバルな仕事も担っています」(喜多さん)

今の仕事はエキサイティングと語る喜多さんだが、一方でプレッシャーもあるという。

「会社全体の動きが手に取るようにわかり、とてもやりがいはありますが、その分提供する1つの数字、1つの情報がダイレクトに経営に関わってきますので、責任も軽くありません」(喜多さん)

もっと自分のスキルを広げたい、もっと社会のチカラになりたい。
喜多さんから溢れる「もっともっと」の想い

そんな喜多さんは精密機器メーカーでの仕事を続けながら、NPO法人二枚目の名刺のスタッフとしても活動している。

NPO法人二枚目の名刺は、会社人として持つ1枚目の名刺のほかに、組織や立場を超えた社会人として2枚目の名刺を持ち、双方で活躍することが当たり前の選択肢となる社会の姿を描いて、2009年に設立されたNPO法人だ。

これまでも高校時代の恩師とアジアの世界遺産や文化財を保護するNPOを創設したり、東日本大震災時には福島に出向くなどの活動を行っていた喜多さんは、ある日Facebookで「二枚目の名刺 作戦会議やります!」というプロジェクト参加メンバー募集の投稿を目にする。

「経理・経営管理というのは社内の管理体制をいかに最適化していくかが主な業務なので、自分がやっていることが社会にどうつながっているのかが見えづらい側面もあります。当時『もっとできることがあるんじゃいないか』『もっと活動の幅を広げたい』というモヤモヤした気持ちを抱えていて、二枚目の名刺のなかで自分がどれだけ貢献できるのかという好奇心から参加を決めました」(喜多さん)

喜多さんが参加したプロジェクトは、家族間での家事シェアを推進するNPO法人tadaima!の「KIDS家事プロジェクト」。これは子どものうちから遊びを通して家事を身につけていく家事教育プログラムで、その一環としてブックレットづくりの企画制作を行った。

「もちろん冊子をつくったこともありませんでしたし、プロジェクトに参加した人のほとんどが独身男性で(笑)。でも、今まで自分がいたコミュニティから一歩外に出てみたら、こんなにも面白いことがあるんだという驚きがありました。本当に楽しくて、毎日ワクワクできたんです」(喜多さん)

この体験がきっかけとなり「自分のように二枚目の名刺で活動することが楽しいと思ってくれる人を増やしたい」という思いから、2016年からはNPO法人のメンバーとなり、さまざまなプロジェクトを立ち上げ、現在は一般財団法人日本ビーチサッカー連盟とともにビーチサッカーの普及促進活動などを行っている。

「自分は良くも悪くも欲深い人間で、やらなくて後悔するよりもやって失敗したほうがましだと思っていて(笑)。何事も『もっと!もっと!』とのめり込んでしまうんです。ただ、だからこそ会社の仕事だけでは得ることが難しいユニバーサルスキルが培われていると思いますし、今後もこのスキルを伸ばし、活かしていきたいですね」(喜多さん)

NPO法人二枚目の名刺での活動風景

立ち止まらず、自分の想いが向いたことを
できることからやってみる

「結局は自分のやりたいことをやっているだけなんです」と気負うことなく笑う喜多さんに、『Smart Join Style』を実践するコツを聞いた。

「目標をあまり大きく設定してしまうと、具体的に何をしていいか分からず立ち止まってしまいかねません。最終的な目標はもちつつも、まずは自分が“今”やりたいことを明文化してみるといいのではないでしょうか。小さいことでもいいので、自分ができることを今までと違う自由で無邪気な発想でやってみる、それが積み重なることで大きな目標が近づいてくると思います」(喜多さん)

この「自由で無邪気な発想」で自分のやりたいことを具現化させるのが、喜多さん流の『Smart Join Style』なのだ。
喜多さんはこれからも、ユニバーサルスキルを磨きつつ、志として抱いている「グローバルに社会への価値を提供したい」という想いの実現に向かって着実に前進していくことだろう。

精密機器メーカー勤務/NPO法人 メンバー 喜多 健介

東京外国語大学インドネシア語学科卒業。幼少期をジャカルタで過ごし、東南アジアのダイナミズムをビジネスの最前線で経験したい想いから、グローバル展開する精密機器メーカーに入社。社内のあらゆるイシューに関与でき、海外事業所への駐在機会も多いため財務経理部門への配属を希望し、現在は経営統合支援業務に従事。本業では経験できない「社会のより多くのフィールドで、一人の当事者として価値を創っていきたい」想いから、NPO法人二枚目の名刺に参画し、各種プロジェクトをデザインしている。2018年3月に第一子が生まれる予定。

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