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ライフでもない、ワークでもない。
第3の新しい道で、自分のやりがいを見つける。

人事サービス会社勤務 宮田 ゆかり

掲載日2018年05月15日

自らのキャリアやスキルを存分に活かして新しいことに挑戦する。その成功体験や達成感を通して見つけた「自分のやりたいことができる」生き方とは。

新天地・愛知で日に日に高まる
「新しいことにチャレンジしたい」想い

「人に関わることが大好きなんです」。そう語る宮田さんは、大学で心理学を専攻し修士号を取得、その後東京で人材紹介会社勤務を経て、サービス系企業で人事担当として勤務していた。

「人事業務は働く人の幸せをサポートする仕事として、とてもやりがいを感じていました」(宮田さん)

そんな宮田さんに転機が訪れる。2014年に結婚した夫の夢を叶えるために、7年勤めた会社を退職し、共に愛知県に移り住むことになったのだ。

「行けばどうにかなるだろうとは思っていましたが、風土も文化も違う土地での暮らしはやはり苦労もありました。特に再就職にあたっては、東京で勤めていた会社と同様にサービス業での人事業務を希望していましたが、愛知では同業の求人は少なく、また、女性の人事担当への門戸も狭かったんです」(宮田さん)

それでも地道に就職活動を続けた結果、人事サービス企業への就職が決まり、新天地でも人事担当としてこれまでのキャリアを活かして人事制度改革に取り組んだ。

「新しい人事制度もようやく形になり、仕事も少し落ち着いたとき『まだまだチャレンジしたい』という想いが大きくなっていったんです。性格的にも新しいモノを創造したい、問題があるならイノベーションを起こしたいと思うタイプで。社内でも上司と相談しながら新しい事案に取り組ませてもらってきましたが、どこか物足りなさを感じていました(笑)」(宮田さん)

『シェアプロ』への参加を通じて見つけた
パラレルキャリアという生き方

そんなとき、NPO法人の代表を務める知り合いからから「商工会議所と一緒に地域の中小企業の課題を解決する社会人向けインターンシップのプロジェクトを計画しているんだけど、人事担当の目線からアドバイスを聞きたい」と宮田さんに相談が持ちかけられたという。

「話しを聞いて『おもしろそう。じゃあ、まず私がやってみてもいい?』って手を上げました。“百聞は一見にしかず”、まず自分がやってみたら色々見えてくるんじゃないかと思ったんです」(宮田さん)

宮田さんが参加したのは、各務原商工会議所(岐阜県各務原市)がNPO法人G-net(岐阜県岐阜市)の協力のもと主催した、「シェアプロ」というパラレルキャリアプログラムで、地域企業が取り組む課題解決プロジェクトに外部の社会人がプロボノとして参画するというものだ。そのなかで、宮田さんは岐阜県高山市にある飛騨五木株式会社が取り組む「森の仕事の採用支援プロジェクト」への参加を決めた。プロジェクトの内容は、3か月という限られた期間で、同社が名古屋市で運営するカフェを会場にして森に関わる事業を展開する12社の出展企業への転職希望者向けイベントを企画するというもの。

フェアの様子

飛騨五木は、「地域で愛され 旅する五木」をコンセプトに、森林資源を活用した商品企画やライフスタイルの提案を行う地域商社である。時代の変化に合わせて事業の多角化を推進していくなかで、採用支援事業の立ち上げを行っており、そのサービスの拡大のために森林業界に特化した転職フェアを開催しようとしていたのだった。

「飛騨五木のプロジェクトを希望したのは、企業理念やビジョン、プロジェクト・リーダーの人柄に魅かれたことと、私自身の人材業界や人事業務で培ったスキルを活かすことができると思ったからなんです。森の仕事って最初は「木こり」くらいしか思いつかなかったんですが、飛騨五木さんのお話を聞いて、実際は他にもさまざまな種類の魅力的な仕事があるんだということに気づかされました。そして、それをより多くの人に知ってもらい、森の仕事と都会の人との橋渡しをしたいと思ったんです」(宮田さん)

飛騨五木のスタッフと宮田さんと同じくプロボノとして参加したメンバーは、岐阜県高山市や愛知県名古屋市など、それぞれ普段の活動拠点は離れていたものの、リモートでのミーティングなどを重ねながら準備に尽力した。その結果、2017年12月に初開催された「森のしごとが見つかる! 森ワクで森ワーク 転職フェア」は大成功に終わった。

「私自身は微力ではありましたが、3か月間飛騨五木のスタッフの皆さんも含めてチームが一丸となって造り上げたという達成感はすごくありましたね。私はキャリアカウンセラーの資格を持っているので、フェア当日には転職に悩んでいる方々のカウンセリングもやらせてもらい、本当にいい経験となりました」(宮田さん)

カウンセリング風景

宮田さんは今回の経験を通して「新しい働き方のスタイルの可能性を感じることができた」と語る。「つい、『ライフ(生活)』か『ワーク(仕事)』の二択のように考えてしまいがちですが、ライフでもない、ワークでもない、自分のやりたいことができる新しい働き方のスタイル=パラレルキャリアという“第3の道”が目の前に開けたように思います」。

プロボノには仕事では決して得られない
新しい体験・経験がある

このイベントの成功が土台となり、新たに新卒者を対象にしたフェアが企画された際、飛騨五木からは、宮田さんにも協力依頼があったが、宮田さんはそこにあえて現在勤務する会社の部下にあたるメンバーを紹介したという。

「成長意欲の高いメンバーだったので、社内では経験できない経験をしてもらいたいと思ったんです。フェア終了後に、そのメンバーが『ベンチャー企業で自分よりも若いメンバーがリーダーシップをとって働いていることにすごく刺激を受けた。自分ももっとがんばらなきゃいけない』と想いを語るのを聞いて、体験や経験を色々な人につなげていくことの重要性を感じました。プロボノは社内業務だけでは培うことが難しい、新しい学びを得ることができる絶好の機会だと思います」(宮田さん)

一般的に、“第3の道”に踏み出し、「Smart Join Style」を実践しようと思っても、なかなか行動に移せないものだ。宮田さんにこのような人々に対するアドバイスを求めると、「私がプロボノ活動を紹介したメンバーも、私が声をかけなければおそらく参加していなかったでしょう。まわりにそういう活動をしている人がいないかアンテナを張り、紹介してもらうなどすればハードルは低くなります。また、少しでも興味を持ったら、まずは説明会などに参加してみることをお勧めします。経験者の体験談やアドバイスを聞けば、その言葉が背中を押してくれるかもしれませんね」と語ってくれた。

「今回プロジェクトに参加して、私個人が『新しい働き方』の可能性を見つけられたことで、ワークかライフかという二者択一的な視点ではなく、仕事へと向き合うことができるようになりました」(宮田さん)

さらに、人事担当者としては、「今後日本で人材不足、働き方の多様化などが進んでいくなかで、企業がどうプロボノなど社外の人材を活用していくか、社員のパラレルキャリア化に向き合うかということは、人事担当としての大きなテーマだと認識することができました。今すぐ自社で実践することが難しいとしても、それほど遠くない将来に、その機運が高まってくるのではないかと思います。その下準備として、社員に、環境変化の激しい時代において、自分のライフやワークを含めたキャリアをどう描いていくかを考えてもらう機会をつくる取り組みを行っています」(宮田さん)

宮田 ゆかり

東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。学生時代は心理学を専攻し、人の認知とメンタルヘルスの関係について研究。幸せなキャリアをサポートする仕事がしたいという想いから、新卒で総合人材サービス企業に入社、Webマーケティングなどを担当。ビジネスとホスピタリティの両立を学ぶため、テーマパーク運営企業に転職、人事として採用や人事制度業務を担当。結婚を機に愛知県へ移住し、人事サービス企業に人事として勤務。企業の人事課題や様々な知見を分かち合う場として、会社を超えた人事のコミュニティづくりも大切にしている。

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