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実直に仕事をやり抜いてきたからこそ生まれるチカラ。
そのチカラが、新しい出会いとキャリアを創出する。

食品会社勤務/NPO法人ReSDA 理事 小西 敦美

掲載日2018年11月15日

定年退職が現実味を帯びて来たときに「何かをせにゃならん」と考えた。そんな人事・労務のプロフェッショナルを待つ出会いと未来とは。

“「企業人」から「大人の社会人」へ”をキーコンセプトに、2016年から活動を続ける非特定営利活動法人リライフ社会デザイン協会(通称 ReSDA:レスダ)という団体がある(法人化は2017年)。
このReSDAは、代表理事を務める上床絵理さんが、「退職後も社会と関わりをもち、活き活きと生きられる社会」を目指して設立し、現在は主に長年企業で勤めてきた50代の人々を対象にして、セミナーを開催するなどさまざまな取り組みを行っている。

「50代も後半に入り、定年の二文字を意識して『何かをせにゃならん』と考えていたとき、上床さんに声をかけていただいたんです」。
現在ReSDAで理事を務める小西敦美さんは、活動のきっかけをこう振り返る。

これまで培ったノウハウと経験が
活かせる環境を求めて

小西さんは1984年に食品メーカーに入社し、入社後9年間は営業を担当した後、自身の希望で人事部に異動する。

「会社全体を鳥瞰できる仕事をしてみたいという思いと「給与計算」や「社会保険事務」などを覚えてつぶしがきくようになりたいという考えで、人事部を希望しました。人事というと採用や教育をイメージする方が多いと思うのですが、私はひたすら労務や人事制度企画、福利厚生などに携わってきました」(小西さん)

人事部在籍中は、当時「成果主義」という言葉が注目されるなかで、処遇の基準を「人」や「成果」ではなく「職務」とする職務等級制度を2002年に導入したり、高年齢者雇用安定法の改正に伴い、2006年から「職務」と市場価値に基づき処遇する再雇用型のシニア職員制度を導入するなど、社内の労働環境向上に貢献したという。

「こうして労務畑一筋で働いていたら、ふと気がつけば私自身のシニア職員化が目前に迫っていました(笑)。これまで培った経験やノウハウを新しい環境で活かしたいという思いがあるなか、子会社への出向となりました」(小西さん)

現在小西さんが勤務する企業は、コンビニエンスストアに供給するお弁当やおにぎりなどを製造している。契約社員・パート社員を含めると3000人を超える従業員が働いているが、その約70%を外国人が占める。

「20か国を超える国の人々が24時間365日体制で働いており、人事の労務環境整備は一筋縄ではいかず大変なことが多々ありますが、同時にやりがいも感じています」(小西さん)

団体の趣旨や想いに共感し
ReSDA設立のメンバーに

これまでの活動実績が蓄積され、それに伴って小西さんのネットワークが広がって行くなか、ReSDA代表の上床さんとの出会いが訪れる。

「2016年にシニア向け研修のインストラクター養成講座に参加していたときに上床さんと知り合ったんです。当時上床さんはReSDA立ち上げの準備を進めているところで、その趣旨や想いに共感し『私でお役に立てるなら』と設立メンバーとして参加させていただくことにしました」(小西さん)

ReSDAは、参加者が50代で改めて自分を再発見し、定年などの退職の前に、自分の興味、価値観、能力などを見つめ直して、退職後の人生をどのように送りたいか、それを実現するためにはどうすればいいかを共に考察するコミュニティの形成を目指しているが、「私は理事の一人としてこの活動についてより多くの人に知っていただき、ReSDAの成長に寄与できたらいいですね」と小西さんは語る。

「ReSDAはまだ設立されて日も浅く、活動はまだまだこれからですが、上床さんをはじめとした現在のメンバーと知り合えたことは本当によかったと思っています。また、ReSDAの講座等に参加し、真剣に人生と向き合って、夢を描いている方々と触れ合うことは私自身の大きな刺激になっています」(小西さん)

小西さんはReSDAの活動以外にも、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の『高齢者雇用の推進』を目的とした委員会などにも参加している。

「『職務』と『市場価値』基準のシニアの人事制度を導入したベテランの人事マンとご認識いただいたことがきっかけで、時折講演やセミナー講師として招いていただくなどのご縁が続いており、自己研鑽に多いに役立っています。JEEDのシンポジウムなどを通じてネットワークも生まれており、これからもReSDAの活動とともに大切にしていきたいと思っています」(小西さん)

ReSDAメンバーの方々と

やり抜くことで生まれる
社会に還元できるチカラ

「仕事、ReSDAの理事、そしてJEEDのお手伝いと複数の軸足を持つことに大変さはないですか」と小西さんに問いかけてみると、次のような返答が返ってきた。

「私は人事・労務担当者として社員の人たちに『外部労働市場でも通用する人材になりなさい』といい続けてきました。外部労働市場で通用するとは、すなわち、勤めている会社のなかだけでなく、外の世界でもチカラが発揮できるよう切磋琢磨していくこということです。自分がシニア世代になった今、これまで行ってきたこと、歩んできた道に対して一定の評価をいただき、他方から声をかけてもらえることは率直にうれしいことです。今後も今の状況を楽しみながら、退職後の自分の幸福と成長を模索していきたいですね」(小西さん)

25年余り人事・労務の仕事に就き、これからもその職を貫徹するであろう小西さんの姿は「一つのことをやり抜くことで生まれるキャリアは、社会に還元できる“新しいチカラ”を生み出すことができる」そんな可能性を示しているのではないだろうか。

今後の小西さんとReSDAの活動を注目したい。

小西 敦美

食品メーカー勤務/NPO法人リライフ社会デザイン協会 理事
食品会社に入社し、9年間東京と仙台で冷凍食品の営業を経験した後、人事部に異動。
人事諸制度の企画から導入に向けた労働組合との協議など四半世紀を人事労務担当として奮闘。
ここ10年は、シニアの働き方や処遇を考える研究会等に参画、一方で自身の定年が目前に迫り、何もできない自分に気づかされる。定年後の働き方を模索する中、とあるセミナーで知り合った仲間とNPO法人を設立。自分も含めた悩める50代が、NPO法人のコンセプトである「大人の社会人」になることを目指して、週末を中心にセミナー等を開催し真剣に議論、終了後の懇親会で飲み語りあう日々が続いている。

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